老齢年金受給年齢に達しても、厚生年金適用事業所で常勤勤務していると老齢厚生年金(報酬比例部分)がカットされるという、在職老齢年金制度については従来より、高齢者の就労を阻害している面があるのではないかとの意見が出されることがありました。
今月、経済同友会がまとめた報告書の中でも、在職老齢年金制度の廃止に関する提言が行われていました。
「高齢者の労働参加が求められるとともに、高齢者自身にとっても公的年金はマクロ経済スライドで給付水準の引き下げが見込まれることから、就労により年金以外の収入を増やす必要性が高まっている。しかしながら、現行の年金制度は、就労している場合は賃金と年金の合計額が一定額を上回る場合に年金の一部または全額をカットする仕組みになっている。こうした在職老齢年金制度により、「年金をもらうために働かない」という事態も散見され、高齢者の勤労を阻害する要因ともなっている。
<提言>
〇在職老齢年金制度による年金の減額制度を廃止し、勤労収入があっても年金を減額しない仕組みとする。」
以上 「未来への希望を拓く税制改革~4つの視点からのアプローチ~」(2016 年10 月3日公益社団法人 経済同友会)より引用